ははがうまれる

2歳半の息子に、もっと野菜を食べてもらいたいなぁ
と思って、春野菜をせっせと蒸して食べています。
スナップエンドウに、アスパラガス、ズッキーニなどを
オリーブ油に岩塩や、ひよこ豆のディップを添えて。
その日の気分で食べてくれたり、くれなかったり。
一緒に蒸したサツマイモやニンジンは親の分までパクパク食べるので、
どうやら糖度センサーが付いているみたいです。
先日、精神科医の宮地尚子先生から新著を送っていただきました。
「ははがうまれる」というタイトルの小ぶりの本は、
ジェンダーやトラウマの研究で知られる宮地先生が
二人のお子さんを育てる実経験から書かれた
育児を楽しんでいる方も、戸惑っている方も、
読むとこころが軽く明るくなるような一冊です。
最近はクラスに妊婦さんが多く参加されているので、
特に好きだった「身ごもる」という一編を部分的に紹介させていただきます。
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私は、機会があれば妊婦さんのお腹に触らせてもらう。
ゆっくりとてのひらを広げ、奥にいる生命を感じさせてもらう。元気で生まれてきてね。外で待っているからね。世界はそんなに悪いところじゃないよ。怖いことだってあるけど、いい人たちもたくさんいるよ。大変なことも時にはあるけど、人生おもしろいものだよ。今は安心しておなかの中でまどろんでいてね。そんな言葉で胎内の赤ちゃんにかける。
同時に、母親である妊婦さんにもメッセージを送る。だいじょうぶだよ。焦って、先々のことを心配したりしなくていいんだよ。ただそのままゆったりしていれば、それが一番赤ちゃんにいいんだよ。妊娠・出産という大きな仕事を果たすんだから、自分に優しくしてあげてね。子育てが不安かもしれないけど、周りの人の助けをたくさん借りて、みんなで育てていけばいいんだよ。 中略
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この本を読んだからなのか
今朝が魚座の新月に差し掛かっていたからなのかは分からないですが
台所仕事をしていたら
以前の仕事大好き、国内外へ出かけるの大好きだった
自分大好き人間の私が薄くなって
新しい母親や妻や嫁なんかがごっちゃになった今現在ならではの役割を
自分が前より楽しめていることに気づきました。
ようやく産後これだけの時間が経って、ちょびっと程度、ですが。
子どもは今手元で預からせてもらっているけど、
その子自身の命や運命があって、いつか巣立っていくもの。
輝くばかりの笑顔を向けて、全力でぶつかってくる、
ひたすら親を慕ってくれる今の時期は特別で、かけがえのないもの。
こちらの思うようにならない自由さに圧倒されて
フーーーっとなってしまうこともあるけど、それも含めて、
1日1日を大切にしていこう。
宝ものの一瞬を、自分の目が曇っているせいで見逃さないようにしたいなぁ。
ありきたりの言葉だけど、素直にそう思わせてくれる一冊です。
すてきな本をありがとうございました。
ははがうまれる
宮地尚子 著
福音館書店